女子高校生歌手のAdoさんが歌う「うっせぇわ」が話題になっていますね。
2020年10月のyoutube公開からの再生回数は現時点でなんと7000万回を超えています。
なんといってもサビの「うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ!」が印象的です。
ここでは、「うっせぇわ」のサビのフレーズのこととそれに似たフレーズがある曲、そして、なぜこのフレーズが印象的なのかについて紹介します。
「うっせぇわ」のサビで現れる印象的なフレーズとは?
「うっせぇわ」では、サビの「うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ!」の歌詞も強烈ですが、メロディもとても印象的です。
この部分にはオクターブを行ったり来たりするフレーズが現れますが、ここにこのサビを印象的にさせる秘密があります。
このようなフレーズが珍しいこともありますが、耳に残る理由は、ただそれだけではないようです。
結論を言うと、オクターブを行ったり来たりするフレーズは警報音に効果的な音の組み合わせなので印象的なんですね。
この件については下の「オクターブを行き来するフレーズはなぜ印象的なのか」で考察していますが、少々理屈っぽいので興味のある方はご覧ください。
「うっせぇわ」のサビに似ているフレーズがある曲
初めて「うっせぇわ」の「うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ!」というサビを聴いた時、頭に浮かんだ曲があります。
「マイ・シャローナ」という海外の曲で、メロディではなく伴奏なんですが、ベースとギターのオクターブ行ったり来たりを聴けます。
出だしでドラムがオクターブ音程でリズムを刻み、しばらくしてGのオクターブを行ったり来たりするベースラインが加わり、そこにギターが加わっていっしょにオクターブを行ったり来たりします。
初めて聴いた時、かなりインパクトがありました。
好きかどうかは別として、誰もがけっこう強烈に耳に残るフレーズだと思います。
で、気づくとこのオクターブの行ったり来たりを鼻歌で口ずさんでいたりするんですが。
「マイ・シャローナ」について
「マイ・シャローナ」は1979年に発売された、ザ・ナックというアメリカのロックバンドのデビュー・シングルです。
米ビルボードホット100で5週連続1位を獲得し、1979年を代表するヒットナンバーとなっています。
ただ、日本ではそれほど大きなヒットとはならなかったので、40年以上たった今では知る人ぞ知るという曲かもしれません。
このバンドのギタリストであるバートン・アヴェールが、以前シャローナという少女に出会って一目惚れした時のことを曲にしたとのことです。
エレキギターを弾く人なら一度はこのリフ・フレーズをコピーして弾いたことがあるのではないでしょうか。
それほど有名なリフ・フレースで、とにかくかっこういいですね。
ザ・ナックはその後ヒット曲を出すことはなく一発屋で終わりましたが、この1曲だけでロックの歴史に名を刻んだんですね。
オクターブを行き来するフレーズはなぜ印象的なのか
ここで少々堅苦しい話になりますが、どんな2音の組み合わせが人にとってインパクトがあるかについて書いていきたいと思います。
このインパクト効果についての研究論文がありました。
「音程変かに着目した危険伝達のための警報音の研究」
(参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssd/67/0/67_364/_pdf)
音が与えるインパクトの度合をインパクト因子、音を聴いてだたならぬ状況と感じる度合を不穏因子といいます。
この二つの因子(インパクト・不穏)が強いほど警報音に適しているとのことです。
ですから、警報音としては、オクターブまでの音の組み合わせでは、2音が離れて不協和音であるものが一番適しているようです。
つまり、音符でいうと「ド」と「シ」の不協和音の組み合わせが警報音としては一番いいということですね。
「ド」と1オクターブ上の「ド」の組み合わせは不協和音ではないので不穏因子はそれほど高くないのですが、インパクト因子はかなり高いようです。
つまり、「うっせぇわ」のサビが印象的なのは決して気のせいではなく、科学的に見てもインパクトの度合が強いということで耳に残るんですね。
ただ、警報音に適しているのが印象的な理由なので、これを斬新でいいという人がいる一方で、うるさく聴こえてしまう人がいるというのも充分納得できます。
まとめ
女子高校生歌手Adoさんが歌う「うっせぇわ」では、サビでオクターブを行ったり来たりするメロディがとても印象的です。
似たフレーズを持つ曲としては「マイ・シャローナ」という海外の曲があり、ドラムとベースとギターが同時にオクターブを行ったり来たりのフレーズを演奏するのでかなり強烈に印象に残ります。
オクターブを行ったり来たりのフレーズが印象的であることについては、科学的にも根拠があります。