山本リシャール登眞くんが「世界遺産博士ちゃん」として、2021年5月1日放送の「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」に出演します。
ここでは、世界遺産博士ちゃん・山本リシャール登眞くんがどんな子なのか、2021年5月1日の授業の内容について紹介します。
世界遺産博士ちゃん・山本リシャール登眞(とうま)くんはどんな子?
山本リシャール登眞くんは京都在住、15歳の高校1年生です。
世界遺産検定には9歳で3級に合格し、最上位のマイスターに史上最年少の11歳で合格しています。
世界遺産博士ちゃんとして2020年1月11日の放送にも出演しているので、今回は2回目の登場となります。
前回は「ベルギー・ブリュッセルの世界遺産グラン・プラス」などについて授業をしてくれました。
山本リシャール登眞の父母はどんな人?
山本リシャール登眞くんのお父さんはセルジュ・リシャールさんといい、スイス出身の数学者です。
リシャールさんは欧州の大学で学び、筑波大にも滞在したことがあり、その際に訪れた名古屋大の環境が気に入ったとのことで、2021年現在は名古屋大学大学院多元数理科学研究科・理学部数理学科の特任教授を務めています。
お母さんは、クロディーヌ真理子さんでといい、ベルギーと日本のハーフで、国際法の研究者です。
まさに学者一家といった感じですが、将来、登眞くんも研究の道に進むのかもしれませんね。
世界遺産検定マイスターとは
世界遺産検定とは、世界各国の世界遺産についての幅広い知識と教養を身につけていることを認定する資格試験です。
小学生から社会人まで幅広い年代が受験することで知られ、2006年に始まって以来、2019年までの累計受験者数は25万人を超えているとのことです。
世界遺産検定資格は、4級からマイスターまでの5段階に分かれており、4級から2級までは特に受験資格はなく誰でも受けられますが、1級は2級合格者のみ、マイスターは1級合格者のみが受験できます。
出題対象は日本の全遺産に世界の遺産が加わる形で、その数は4級:32件、3級:100件、2級:300件で、1級とマイスターは全件となっています。
世界遺産はどんどん増えていくので、1級になるとたいへんですね。
マイスターでは観光系専門家レベルの知識が要求される上に、世界遺産に関する諸事象について自分の意見をもつとのことですから、小学生で合格するとは本当にすごいですね。
世界遺産博士ちゃん 2021年5月1日の授業内容
長崎県の世界遺産「軍艦島」が紹介されます。
軍艦島は年々劣化が進み、年を追うごとに公開エリアが少なくなっていき、現在、島の98%は非公開エリアになっていますが、ゲストの伊集院光さんと世界遺産博士ちゃんが軍艦島の非公開エリアに特別潜入します。
当時最先端の設備を誇ったという軍艦島をドローンカメラも駆使し、陸だけでなく空も含めた大捜索での超貴重映像満載でサンド&愛菜ちゃんも大感動でした。
- 非公開エリアで発見したお宝スポットの数々と世界遺産の秘密とは?
- 軍艦島が世界遺産となるきっかけとなった場所とは?
伊集院光さんと博士ちゃんが軍艦島の非公開エリアを探索
伊集院光さんと博士ちゃんが軍艦島に上陸し、非公開エリアにあるお宝スポットを探索します。
二人の他、「軍艦島を世界遺産にする会」の会長・坂本さんが同行します。
坂本さんは、お父さんがこの島の炭鉱で働いていたとのことで、子供の頃、実際に軍艦島で生活していた人です。
博士ちゃんも知らない当時の生活について解説してくれます。
① 高さ6m 謎の巨大柱の正体は?
広場にあり、2本ずつのペアで並ぶ高さ6mほどの巨大な柱があるのですが、いったい何のためのものなのでしょうか。
軍艦島というぐらいだから砲台を置いたのではないか、というサンド・富沢さんの意見に博士ちゃんの知識が炸裂します。
軍艦島の名前の由来は、軍艦「土佐」に似ていることで、後からそう呼ばれるようになったとのことで、ちょっと違うとのことでした。
柱の正体は、炭鉱で採掘した石炭を運ぶためのベルトコンベアの橋脚部分でした。
時間がたってかなり崩壊が進んでいますが、かろうじて橋脚部分だけが残っていたんですね。
軍艦島で採れた石炭を福岡の八幡製鉄所に送って鉄の生産を行うことにより、九州北部が一大産業革命エリアになっていたという博士ちゃんの説明がありました。
軍艦島は2015年に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」を構成する資産の一つとして世界文化遺産に登録されましたが、八幡製鉄所もその構成資産の一つなんですね。
② 島民が大切にした謎の1号棟とは?
軍艦島では当時60以上あった建物に番号が振られていたとのことです。
例えば、
- 3号棟:幹部の社宅
- 30号棟:住居
- 70号棟:小中学校
そして、「1号棟」は島民がもっとも大切にしていた「神社」でした。
神社は山の上の高い所にあり、木造の拝殿は崩壊してしまい、上の写真のように今は下から祠(ほこら)が見えるだけです。
番組では、上空からドローンで確認したところ、鳥居が残っているのが見えました。
③ 謎のハイテクルームとは?
その部屋には手術室に設置されている無影灯のようなものが落ちていました。
つまり、謎のハイテクルームの正体は病院の手術室でした。
軍艦島では日常的に事故などによる怪我も多かったので、患者を本土に移送することなく島内で手術を行っていたんですね。
これだけ小さい島に手術設備があることは非常に珍しいそうです。
④ 高層アパートを縦につなぐ謎の通路は?
これは高層マンションなどで見られるダストシュートでした。
高層階の上り下りがたいへんだったので設置されたとのことです。
番組では、ダストシュートは最先端の設備との説明でしたが、昭和30年代の中層アパートにはダストシュートが設置されたものも多かったと思います。
60歳以上で団地のアパートで生活した経験のある人には馴染みが深いのではないでしょうか。
⑤ 世界遺産登録の秘密は?
いよいよ軍艦島の世界遺産登録の秘密に迫ります。
軍艦島が世界遺産に登録された秘密は130年前に築造された護岸でした。
博士ちゃんの説明によると、軍艦島の護岸は天草石でできており、天草石は「天川」という石灰と赤土を混ぜ合わせた接着剤を使って固定されているとのことです。
護岸工事は今から130年前の明治時代に行われているのですが、地下の大規模な坑道とこの伝統的な技法による護岸工事が評価を受け、世界遺産に登録されたとのことです。
そういえば、軍艦島は「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として世界文化遺産に登録されていますね。
軍艦島は明治時代の護岸工事の後、数回に渡って埋め立てを繰り返し、当初の3倍の大きさになり、炭鉱の島として発展しています。
博士ちゃんのまとめは、世界遺産として評価された護岸工事を行ったことで人が住めるようになり、炭鉱としての発展につながったわけで、世界遺産の部分だけだなくその全てが一つのまとまった文化である、とのことでした。
お宝スポットに行く途中の重要スポット
エレベーター棟
朽ち果てた階段がついた建物があり、ここはエレベーター棟でした。
地下1000mまで広がる坑道に降りるため、地下600mまでこのエレベーターで一気に降りていたとのことです。
坂本さんによると、当時は事故が起こるとここのサイレンが鳴り、その時は島中に緊張が走ったそうです。
小中学校
小学校と中学校がいっしょに入った7階建ての建物があり、小中学校合わせて700人の生徒がここで学んでいました。
坂本さんによると、4階までが小学校、5階と7階が中学校で、運動場などにはナイター設備があったとのことです。
島最大のアパート65号棟
昭和58年頃、当時の三種の神器(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)の普及率は全国的には10%程度だったが、軍艦島は100%だったとのことです。
オーディオ設備を揃えていた人もいたそうで、裕福な生活をしていたことがわかりますね。
坂本さんが住んでいたと共同住宅の部屋(最上階)をドローンで撮影。
狭いスペースを有効に使うため、屋上にも生活空間があり、プールと幼稚園などがありました。
地下を覗いていた博士ちゃんが貸衣装店と美容院の看板を発見。
地下にも様々な施設があったことがわかり、島内で冠婚葬祭まで全てできたことがわかります。
他には、映画館やパチンコ屋もあったとのことです。
地獄段
地獄段というと何か恐ろし気な響きですが、地中海沿岸の国々で見られるような、蛇行するなどしていろいろな方向にいける楽し気な階段です。
端島銀座といわれた場所にあり、そこは買い物客で賑わったといいます。
共同住宅の建物どうしは空中廊下でつながっています。
軍艦島とは
「軍艦島」の正式名称は端島(はしま)で、長崎港から18.5kmの距離にあり、明治から昭和にかけて海底炭鉱によって多くの炭鉱労働者が集まって繁栄した島です。
写真を見てもわかるように、まるで軍艦のように見えますね。
昭和35年(1960年)には島内に5,267人が生活しており、当時の人口密度は世界一だったといいます。
この多数の住民のため、島内には、病院や学校などの公共施設をはじめとして、映画館などの娯楽施設、小売店や理髪店など生活に必要な施設の他、寺院や神社まで揃っており、一つの都市として機能していました。
日本初の鉄筋コンクリート造の高層集合住宅があることでも知られ、建築的にみても価値の高い遺産です。
下の写真を見ても建物が密集している様子がわかりますね。
繁栄を誇った軍艦島ですが、昭和49年(1974年)の閉山にともない、人々が島を離れてからはずっと無人島となっています。
平成21年(2009年)4月より、安全基準を満たした場合には島への上陸が許可され、観光・見学ができるようになっています。
平成27年(2015年)「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」を構成する資産の一つとして世界文化遺産に登録されました。
住所:長崎県長崎市高島町
同じ回に出演した博士ちゃん
2021年5月1日放送に出演した博士ちゃんを紹介します。