テレビの釣り番組で取り上げられることが多い「信玄べラ」とはどんな魚なのでしょうか。
信玄べラはどんな魚なのか、そして、釣れる場所、釣り方、料理方法などについて調べてみました。
信玄べラとは
山梨県甲府市にある千代田湖で釣れる体長40cmを越す大きなヘラブナのことを「信玄べラ」と呼んでいるとのことです。
なぜ「信玄べラ」と呼ぶのでしょうか。
ここでとれるヘラブナは肉厚で黒々とした野武士的なスタイルが特徴ですが、その姿から地元甲斐の戦国武将・武田信玄になぞらえているとのことです。
6月あたりから千代田湖でその姿が見られるようです。
千代田湖はどんな湖?
千代田湖は山梨県甲府市の北西部にある山上湖です。
湖面標高は600m、面積約0.25平方kmの農業灌漑用人造湖で、最高深度は15mです。
正式名称は丸山貯水池で「千代田湖」というのは通称になります。
元々、この一帯は荒川の支流である帯那(おびな)川沿いの水田が広がる谷間でしたが、1937年に灌漑改良事業として帯那川を堰き止めて作られた湖です。
山間のにある静かな湖で、 ヘラブナ釣りのメッカとして知られており、シーズン中はヘラブナ・ブラックバス等の釣り客で賑わいます。
周辺は昇仙峡や石和温泉などのリゾートもあります。
付近には県立森林公園(武田の杜・健康の森)など森林浴が楽しめる遊歩道も整備されています。
湖畔に近い和田峠は甲府の夜景を眺める展望スポットとして知られています。
ヘラブナとは
ヘラブナはゲンゴロウブナ(コイ科フナ属)の一種です。
体高がとても高い突然変異種が大正時代に発見され、それを育てて品種改良したのがヘラブナです。
ということで、元々は養殖魚で自然種ではないのですが、今では一般の河川で普通に見ることができます。
ゲンゴロウブナは雑食性ですが、ヘラブナは植物性プランクトンを好んで食べます。
養殖する場合、細かく砕いたミミズなど動物性餌だけで飼育することも可能なので、河川でミミズ等の生き餌に掛かる事もあります。
大阪の河内で盛んに養殖され、主に淀川水系へ放流されたのですが、地名になぞらえて「カワチブナ」とも呼ばれます。
現在も養殖されていて、各地の「へらぶな会」などにより全国の河川に放流されています。
千代田湖のへらぶな釣り
千代田湖では、信玄ベラがかなりの量で棲息している釣り場です。
大型べらは深底で釣れる傾向があるので、底の取れる長めの竿15~21尺の用意があるといいようです。
ヘラブナ釣りの餌
ヘラブナは水中のプランクトンを食べるため、マッシュポテトや麩、グルテン、専用に作られた配合餌などの練り餌を使います。
かつて関西ではうどんがよく用いられたとのことです。
現在では、ゼラチン質のインスタント餌が主流になっていますが、魚が活動的でない冬場の釣りではまだまだ使う人も多いようです。
ヘラブナの料理
代表的なヘラブナの料理を紹介します。
どれもおいしそうですね。
ヘラブナの洗い
水質の悪い野池やダム湖の釣ったヘラブナは臭みが強く食べにくいのですが、水質の良い場所で釣れた天然のヘラブナはおいしく食べることができます。
同じ淡水魚では鯉の洗いが知られていますが、ヘラブナもコイと同じくおいしい洗いが作れます。
淡水魚には寄生虫がついていることも多いので、料理する前に熱湯でサっと身をくぐらせてから洗いを作ればと安全に食べられます。
ヘラブナの煮付け
鯉コクなどと同様、ヘラブナの煮付けもおいしいのですが、子持ちのヘラブナで作ればさらにおいしくいただけます。
3月下旬から5月の産卵期で子持ちのヘラブナを食べるのでしたら煮付けがいいと思います。
ヘラブナの唐揚げ
ヘラブナはプリプリとして弾力のある身が特徴ですが、こうした魚には唐揚げがぴったりです。
ヘラブナはハモやアイナメのように小骨が多い魚なので、しっかりと骨切りをすることがポイントです。
まとめ
体長40cmを越す大きなヘラブナのことを「信玄べラ」と呼んでいます。
信玄べラがとれる千代田湖は山梨県甲府市の北西部にある山上湖で、有名なヘラブナの釣り場です。
ヘラブナは自然種ではなく養殖魚ですが、放流されているので全国の河川に生息しています。
ヘラブナは料理してもおいしく食べられます。